代名詞の謎

「I」と「You」は別「He」・「She」・「We」・「They」の領土

以下の表を見てみましょう。

主語に現る代名詞
単数 複数
一人称 I We
二人称 You You
三人称 He/She/It They

英語を勉強しているうちに、すぐこのような表に出会いますよね。なぜこのように整理しているのかを、ゆっくり考えていただきたいです。

まず、覚えておいてほしいのは、英語の一人称・二人称・三人称は日本語の「私」「あなた」「彼」等々と違って、動詞の形まで変える力を持っています。

一人称と二人称は三人称と違います。なぜなら、IとYouのアイデンティティーはハッキリ決まっているからです。言い換えてみれば、三人称には先行詞が必要ですが、IとYouには先行詞は必要ありません。

先行詞というのは、代名詞が代表している名詞のことです。例えば、

I like Jim. He is my friend.(私はジムが好きです。彼は私の友達です。)
Jim and Mary like Thai food. They eat it twice a week. (ジムとマリー
はタイ料理が好きです。彼らは一週間二回タイ料理を食べます。)

「He」「They」「it」の先行詞はそれぞれ「Jim」「Jim and Mary」「it」です。先行詞が分からない時、文章の意味も分からないことが多いです。例えば、突然以下の文章に出会ったら:

He gave it to her. (彼が彼女にあれをあげた・やった。)

文脈がないと具体的に何が起こっているのかは全く心当たりがないでしょう。大統領がスパイに一億ドルをあげたのか、医者が少女に薬をあげたのか、男子がお母さんにゴキブリをあげたのか、数えられないほど可能性があります。

しかし、
I like your hair.
は違います。誰が誰の髪を好んでいるのは問題になりません。話し手は「I」ですし、聞き手は「You」に決まっているからです。

ですから、私は「I」と「You」のことを三人称のものと違うように考えています。英語では、自分のアイデンティティーを表すのに「I」しかありません。日本語には、文脈によってその代名詞は変わります。例えば、男性の場合は「私・僕・俺・先生・パパ」等々が考えられますが、英語にはこれらを全て「I」で済みます。